

キーキャップの1Uとは?1.25U・2.25Uのサイズと「Zズレ」を解説
交換用キーキャップの商品説明には、1U、1.25U、2.25Uといった表記がよく登場します。数字が大きいほどキーは横長になりますが、1Uの実寸をそのまま掛け算すればよいとは限りません。
Uはキーキャップ外形の絶対寸法ではなく、キーボード上のキーピッチを基準にした単位です。この記事では、中心間ピッチ19mm、1U外形18mmという分かりやすい条件を置き、各サイズを計算します。
さらに、左Shiftの幅が2.25Uから2Uへ変わるとZキー行の開始位置がどう変わるのか、俗に「Zズレ」と呼ばれる見え方や、交換用キーキャップを選ぶ確認点まで整理します。
キーキャップの「U」とは
Uは、キーの幅や配置をキーピッチに対する比率で表すときに使われる呼び方です。Q、W、Eなどの正方形に近い文字キーを1Uとして、修飾キーやスペースキーの幅を1.25U、1.5U、2U、2.25Uなどと表します。
キーピッチは、隣り合うキーの中心から中心までの距離です。QMKのレイアウト定義でも、キーの位置と幅をkey unitで表し、1Uを既定値、左Shiftの例を幅2.25として扱っています。
一方、キーキャップには隣のキーとぶつからないための隙間があります。そのため、「1Uの外形が18mmだから、2Uの外形は36mm」になるとは限りません。U数は外形そのものではなく、中心間の間隔を含む配置上の単位だからです。
1Uが18mmの場合のサイズ計算
この記事では理解しやすさを優先し、次の条件を仮定します。
- キースイッチの中心間ピッチ:19mm
- 1Uキーキャップの外形:18mm × 18mm
- 隣り合う1Uキーキャップ間の隙間:1mm
複数Uのキーキャップの長辺は、次の式で求められます。
長辺の長さ = 18mm +(U数 − 1)× 19mm = 19mm × U数 − 1mm
たとえば2Uでは、1U外形の18mmへ中心間ピッチ19mmを1回分足すため、18 + 19 = 37mmです。18mmを2倍した36mmではありません。
1.25U・1.5U・1.75U・2U・2.25Uのサイズ比較
同じ式へU数を入れると、長辺の目安は次のようになります。
U数 | 計算式 | 長辺の | 外形の |
|---|---|---|---|
1U | 19 × 1 - 1 | 18mm | 18 × 18mm |
1.25U | 19 × 1.25 - 1 | 22.75mm | 22.75 × 18mm |
1.5U | 19 × 1.5 - 1 | 27.5mm | 27.5 × 18mm |
1.75U | 19 × 1.75 - 1 | 32.25mm | 32.25 × 18mm |
2U | 19 × 2 - 1 | 37mm | 37 × 18mm |
2.25U | 19 × 2.25 - 1 | 41.75mm | 41.75 × 18mm |
ここで示した数値は、19mmピッチ・1U外形18mmという本記事上の計算例です。実際のキーキャップ寸法は、メーカー、プロファイル、表面形状、設計公差などによって多少異なります。
また、製品によっては19.05mmなど、19mmと少し異なるキーピッチを採用します。交換用キーキャップを選ぶときは、計算値だけで決めず、キーボードとキーキャップセット双方の寸法図を確認してください。
Shiftキーの幅でZキー行がずれる仕組み
一般的な例のひとつとして、左Shiftに2.25Uを使い、その右にZ、X、Cが続く配列があります。一部のJIS配列やコンパクトキーボードでは、レイアウト上の都合から2Uの左Shiftが使われる場合もあります。
ほかのキー配置が同じという条件で、左Shiftを2.25Uから2Uへ変更すると、その差は0.25Uです。したがって、Zキーから始まる行の開始位置も0.25U移動します。
0.25U × 19mm = 4.75mm
このように、Zキーを含む行が一般的な位置から左右へずれて見える状態を、キーボード利用者の間で俗に「Zズレ」と呼ぶことがあります。正式な規格名ではありません。
「Zズレ」は必ずしも悪い設計ではない
Zキー行の位置が変わると、慣れた指の移動と異なるため、最初は違和感を覚える人がいます。一方で、違いを気にせず使える人や、短期間で慣れる人もいます。タイピングしやすさは、手の大きさ、入力方法、以前使っていた配列などによって変わります。
また、Shift幅やZキー行の位置は、筐体を小さくする、別のキーを追加する、左右の端へ必要な機能を収めるといった設計判断と関係します。Zズレだけを見て一律に欠陥や悪い設計とは判断できません。
すべてのJISキーボードが2U ShiftやZズレを採用しているわけではなく、すべてのコンパクトキーボードで発生するわけでもありません。また、2U Shiftを使うだけで必ずZズレになるのではなく、ほかのキー配置を同じにした比較でZ行が0.25U移動するという説明です。
Merami Zeroは2.25U ShiftでZズレを採用していない
Merami Zeroの左Shiftは2.25Uです。Zキー行を0.25Uずらす設計にはしておらず、一般的な左ShiftとZキーの位置関係に近づけています。
製品ページで確認できるMerami Zeroは、60% US配列のロウスタッガードで、独立した矢印キーを採用しています。下の既存製品写真では、左側ユニットのShift、Z、X、Cの位置関係を上から確認できます。
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交換用キーキャップを選ぶときの確認事項
キーキャップセットを購入する前に、次の順で確認すると失敗を減らせます。
- 物理配列:US(ANSI)、ISO、JISなど、EnterやShift周辺の形を確認する。
- 必要なUサイズ:左Shift、右Shift、Backspace、Enter、スペースキー、最下段の修飾キーを実測または寸法図で確認する。
- 取り付け形状:MX互換ステム、Choc V1、Choc V2など、スイッチとキーキャップの接続規格を合わせる。
- スタビライザー:長いキーの対応幅と取り付け位置を確認する。
- プロファイルと行:OEM、Cherryなどの形状と、R1〜R4など行ごとの高さ・傾きを確認する。
- セット内容:2U Shiftや短いスペースキーなど、特殊サイズが同梱されているかを見る。
同じ2.25Uでも、幅だけ合えば必ず装着できるわけではありません。取り付け形状、スタビライザー、プロファイル、配列をまとめて確認しましょう。
よくある質問
2Uキーキャップは18mmの2倍ではないのですか
本記事の前提では2倍の36mmではなく、37mmです。Uは外形の絶対寸法ではなく中心間ピッチを基準にするため、18mmの1U外形へ19mmピッチを1回分足し、18 + 19 = 37mmと計算します。
1Uの実寸は必ず18mmですか
必ず18mmではありません。メーカー、プロファイル、設計公差、採用するキーピッチによって多少異なります。この記事の18mmは、19mmピッチで隣り合う1U間に1mmの隙間があると仮定した計算例です。
Zズレがあるとタイピングしにくくなりますか
感じ方には個人差があります。以前の配列との差で違和感が出る人もいれば、気にならない人もいます。Zズレは省スペース化やキー追加とのトレードオフで採用される場合があり、一律にタイピングしにくい設計とはいえません。
キーキャップセットを買うときは何を確認すればよいですか
物理配列、必要なUサイズ、取り付け形状、スタビライザー、プロファイルと行、特殊キーの同梱有無を確認します。キーボード側とキーキャップセット側の寸法図を見比べ、幅だけで判断しないことが大切です。
出典・参考資料
- QMK Firmware - info.json Reference(key unitと2.25U Shiftのレイアウト例)
- Dell G16 7620 - Keyboard specifications(19.05mmキーピッチの製品例)
- Keychron K14 Keycap Layout and Size Chart(製品別のUサイズ表記例)
- Keychron - ISO / ANSI / JIS Keycaps(物理配列とキーキャップ互換性の確認点)
- Merami Zero製品ページ(配列と製品仕様)
「Zズレ」は正式な規格名ではなく、キーボード利用者の間で使われる俗称として記載しています。寸法値は、特記した製品仕様を除き、本記事の計算条件に基づきます。
まとめ
キーキャップのUは、外形を直接示す絶対寸法ではなく、キーボード上のキーピッチを基準にした単位です。19mmピッチ・1U外形18mmなら、長辺は19mm × U数 − 1mmで計算できます。
- 1Uは18mm、1.25Uは22.75mm、1.5Uは27.5mm。
- 1.75Uは32.25mm、2Uは37mm、2.25Uは41.75mm。
- 2.25U Shiftと2U Shiftの差は0.25Uで、19mmピッチなら4.75mm。
- 「Zズレ」は俗称であり、省スペース化やキー追加とのトレードオフになり得る。
- Merami Zeroは2.25Uの左Shiftを採用し、Zキー行を0.25Uずらしていない。
交換用キーキャップは、Uサイズだけでなく、物理配列、取り付け形状、スタビライザー、プロファイル、セット内容まで確認して選びましょう。

